苦痛の少ない内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)検査
内視鏡とは、細い管状のカメラを鼻などから挿入し、胃や大腸を直接観察する検査機器です。内視鏡検査によって、日本人に多い胃腸のがんの早期発見につながることが多くあります。近年では、機器の性能があがり、苦痛も少なく、10~30分程度でほとんどの検査が終了します。
検査は、「経鼻上部消化管内視鏡検査(鼻から入れる胃カメラ)」「大腸内視鏡検査(肛門から入れる大腸カメラ)」の2つの種類があります。
経鼻上部消化管内視鏡検査(鼻から入れる胃カメラ)について
昔の胃カメラは、口から管を挿入するタイプで苦痛が伴いましたが、現在は鼻から細い管(先頭部分が5mm程度)を挿入する苦痛の少ないタイプが一般的になっています。鼻から挿入しますので、吐き気が起こりにくく、会話ができるのが特徴です。
検査の流れ
検査前日
夕食は、夜9時までに、消化の良いものをとってください。
水分(お茶やお水などの透明な飲料水)は、検査当日の午前6時半まで可です。
検査当日
朝、食事はとらないでお越しください(朝の薬がある場合には指示に従ってください)。
検査中
ベッドに左向きになった状態で検査を行います。
検査時間はだいたい10分ぐらいです。
内視鏡のモニターを見ながら質問したりできます。
診断を確かめるために、色素をまいたり組織を採取したりすることがあります。
大腸内視鏡検査(肛門から入れる大腸カメラ)
大腸ポリープや大腸がんは、日本人の食生活が欧米化している現在、増加している疾患で
す。
検査の流れ
前処置として前日の夜に錠剤の下剤のお薬を服用、検査当日の午前中に2リットルほどの液体の下剤を服用していただき、腸内の糞便を出して、お昼頃の検査となります。(普段のお通じによって下剤のかけ方が変わることもございます)
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検査前に検査の説明をいたします。
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肛門から内視鏡を挿入して、盲腸までの大腸を直接観察します。
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検査は20~30分程度です(個人差があります)。
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もし病変が見つかれば、必要に応じて組織を採取する生検を行います。生検を行った際には検査当日はアルコールを飲まないでください。
留意事項
- 検査中は空気でお腹が張りますが、検査後数時間でもとに戻りますので心配はありません。
- 検査後はベットで1時間ほど休んでから帰宅していただきます。
当院では、いずれの検査の場合も鎮静剤を投与することは基本的にいたしません。
理由としては、
・鎮静剤はいわゆる「麻酔」ですので、眠ったように楽に検査を受ける印象をもたれがちですが、個人の体質によって、検査後のふらつきや覚醒不良が起こることがあり、転倒・呼吸抑制などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。 最悪の場合、呼吸が止まってしまうことがあります。 通常の検査では痛みや苦痛を感じることはほとんどありませんので、麻酔を使用するリスクの方が大きいと当院では考えます。
・鎮静剤を使用しないので、リアルタイムに被検者の方にご説明させていただきながら検査が可能ですし、ポリープ切除や病理検査のための切除(極微量の粘膜組織)が必要な場合もその場でご同意をいただくことが可能となります。
・検査後の覚醒を待つ時間が必要ありませんので、念のため体調不良がないかの確認のお時間(30分程度)経過後すぐにご自分で運転してご帰宅していただくことも可能です。